ココがポイント
心理療法は技法ではなく人間関係が問題です。
心理療法の種類
心理療法には様々な種類があります。
- 精神分析療法(ジークムント・フロイト)
- 夢分析(ジークムント・フロイト、カール・グスタフ・ユング)
- 行動療法(バラス・スキナー)
- 来談者中心療法(カール・ロジャーズ)
- 認知行動療法(アーロン・ベック、バラス・スキナー)
- 交流分析(エリック・バーン)
- 睡眠療法
- 内観療法(日本)
- 作業療法(グスタフ・ジーモン)
- 森田療法(森田正馬 日本)
- 箱庭療法(マーガレット・ローウェンフェルド、ドラ・カルフ)
- 芸術療法
- 遊戯療法(ヘルミーネ・フーク・ヘルムート)
- グループ療法
- 家族療法
- 短期療法
- 薬物療法
- 自律訓練法(ヨハネス・ハインリヒ・シュルツ)
- グリーフセラピー(G・ベイトソンやP・ワツラウィック、R・フィッシュ、J.H.ウィークランド、M・エリクソン、D・シェイザー)
- フォーカシング技法(ユージン・ジェンドリン)
- 条件付け技法
- アサーション技法(ジョセフ・ウォルピ)
- エンカウンター技法(カール・ロジャーズ)
といった様々な技法が心理療法にはあります。
しかし、本当に技法だけが心理療法では重要なのでしょうか?
心理療法は技法だけが重要ではない
心理療法に技法が重要かどうかは次のフランクルの実体験が物語っています。
ある日の午前三時にフランクル宅に、ある女性が電話をかけてきました。
彼女は、自殺すると決心したのであるが、そのことについて私が何というのだろうか知りたいと話した。私は、そういう解決の仕方には反対であることと、生きていくべきことを、あらゆる論をつくして答えた。彼女がついに、イに血を断つようなことはしないで、私に会うために病院に来るといいだすまで、三十分の間話したのである。しかし彼女が私のところへやって来たとき、私が聞かせた意見のただの一つも、彼女の心を打っていなかったことがわかった。彼女が自殺しまいと決心したただ一つの理由は、私が深夜の眠りを妨害されたのに怒りもせず、辛抱強く半時間も、彼女の話を聴いたり話したりしたこと、そして、このようなことが起こりうる世界は生きる価値のある世界に違いない、ということを彼女が発見したことである。
意味への意志 フランクル ブレーン出版 p7
このことは心理療法は技法ではなく、重要なことは、セラピストとクライアントとの人間関係であったということです。
フランクルは、ロゴセラピストとしての「人生肯定的世界観」を根気強く語って否定的な人生観を論破しようと試みました。
しかし、そのどの言葉も彼女の心を打っていなかったのです。
彼女が自殺をしなかったのは、フランクルが夜中にも関わらず熱心に話を聴いたり、彼女と話をした、ということ自体が、彼女の精神的態度を変えたのです。
このことは心理療法は技法ではなく、その技法を施術するセラピストの人間性にかかっているということなのです。
人間は実存主義の言うように決してただの「物」ではなく、掛け替えのない唯一無二の存在として見ることが出来るように、セラピスト自身の精神性を磨かなければ何にもならないのです。
ビクトル・フランクルの心理療法の技法
フランクルのロゴセラピーにも技法があります。
ロゴセラピーの技法
- 反省除去法
- 逆説志向
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