ココがポイント
アカシックレコード論は仮説にすぎないのです。
アカシックレコード
アカシックレコードとはウキペディアによれば、
元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念で、アーカーシャあるいはアストラル光に過去のあらゆる出来事の痕跡が永久に刻まれているという考えに基づいている。宇宙誕生以来のすべての存在について、あらゆる情報がたくわえられているという記録層を意味することが多い。
ウキペディア
要するに宇宙のインターネットというところでしょうか。
私たち自身も、私たちの思考も、すべてがエネルギーであり、宇宙のすべてはエネルギーで繋がっているという宇宙エネルギー仮説というものがあります。
この 宇宙エネルギー仮説 に物理学でいう量子もつれと言う考え方をプラスしたものが、アカシックレコード論なのです。
こ物理学でいう量子もつれという事実が、スピリリュアル系の方々にとって願ってもない科学的根拠となっているのです。
現代量子物理学において、「量子もつれ」と言う考え方があます。
量子もつれとは、物質の最小単位としての、ある一つの粒子が何らかの理由で、二つに分かれたとして、その一つを地球に置き、片方を月に持って行ったとしてもお互いに何らかの方法で通信し合っているというのです。
この片方の地球の粒子を観測した時の電子のスピンが上向きスピンだとして、もう片方の月の粒子の電子下向きスピンは下向きに一瞬で必ずなる、と言うものです。
この量子もつれの状態を画像に収めることに、英国のグラスゴー大学の研究チームが成功しました。
このことから、すべての物質は波の状態では繋がっていいて相互結合性があるとしたのです。
スピリチュアル的に、極端に拡大解釈すれば、目の前の空間には、宇宙誕生から現在に至るまでのすべての情報がインターネトとのように、詰まっているということになるのです。
スピリチュアル的な解釈では、この宇宙のインターネットにつながることによって、人間は神の力をとまでは言わないまでも、過去や現在までの宇宙で起こったすべての情報を得ることができるというのです。
このアカシックレコードを応用すれば、人間は無限の能力を秘めた潜在意識を顕在化して、どのようなものでも現実化できてしまい、天国のような世界を作ることができるできる、といたような極端な理論を唱えている人もいるようです。
これがアカシックレコード論です。
このアカシックレコードは人間の潜在意識と繋がっており、瞑想や、ヒーリング、チャネリングによって、潜在意識が顕在化するとい
うのが現在の最先端科学を取り入れた、スピリチュアルの考え方なのです。
言葉ではどんなことでもいうことができるというのが、人間世界の現実なのです。
そういったスピリチュアルの世界で言っていることを、信じるか、信じないかの決断は、あなた次第ということです。
ジークムント・フロイトによる潜在意識(無意識)
スピリリュアルの世界では、ジークムントフロイトのいう、潜在意識(無意識)という概念を大きく取り上げています。
近年では人間の行動の95%を支配しているのは潜在意識(無意識)で、顕在意識が5%であると言われています。
だから、スピリチュアルでは、潜在意識の中には膨大な人間の可能性が秘められているので、どのようなことでも可能性があると治療者はクライアントに告げるのです。
人間はカリスマ的な心理療法者やヒーラーと呼ばれている人に、そのように言われれば、自己暗示にかかったように症状も治ってしまうこともあります。
「信じる者は救われる」ことも実際にはあるのです。
治療というのは、療法よりも、療法家とクライアントとの、両者の人間関係が重要な要素となるのです。
しかし、良心的な「 心理療法者やヒーラー 」ならば別に問題にはならないかもしれません。
問題なのは、何を考えているのかわからない 「 心理療法者やヒーラー 」 によるセラピーやヒーリングです。
実際に 心理療法やヒーリングをやっているのは普通の人間であるということです。
クライアントがどのような 「 心理療法者やヒーラー 」 を選びまた、その内容をどのように信じるかが重要なのです。
カール・ユングによる集合的無意識
フロイトは、人間を無意識のリビドーによって駆り立てられる存在と定義しました。
フロイトは無神論者なので、力学から借りてきた概念を使って、心理力動学として捉え、科学主義に徹してしまったのであす。
ここにフロイトの無神論を否定し、フロイトから門戸を外れ、神秘主義を取り入れた、カールユングが登場しました。
カール・ユングは潜在意識にはさらに、個人的無意識と集合的無意識(普遍的無意識)があると主張しました。
そして、普遍的無意識の中には元型と呼ばれるものがあり、人間が遺伝的に備わったあるパターンが存在するというのです。
また、ユングは、理屈では因果関係を説明できないような偶然がある事に興味を持ち、シンクロニシティ(共時性)いわゆる、意味のある偶然の一致という不可思議な領域が人間にはあるとしたのです。
- 連絡しようとしたら、相手から連絡が来る
- 気になっていた情報がたまたま手に入った
- 同じタイミングで同じようなことを他人が考えていた
- 虫の知らせ
- あの人の事を考えていたら、偶然会った
といったことが、スピリチュアルにおいて、引き寄せの法則があるとして捉えられるようになりました。
このユングによる元型や シンクロニシティ(共時性) ということが現代のスピリチュアルおいて、重要な要素となっているのです。
マーフィーの法則
フロイトやユングの二人の見解に、さらに拍車をかけたものが、マーフィーの法則で、潜在意識の自分の願望を刻み込めば願いが叶うという理論が、スピリチュアルに願望実現理論がはびこってしまったのです。
そして、最近の量子力学における事実である量子もつれ現象で、同じ波長でどんなに遠く離れていても、量子的繋がているとミクロ的視点においても、引き寄せの法則は理にかなっていると言われているのです。
これらの理論によって、様々なオカルト的志向や、ヒーリングやチャネリングなどおいて、アカシックレコード論が影響を及ぼしているのです。
これらの事柄は、スピリチュアル好きの方には、実に興味深いものになっています。
ここにスピリチュアルビジネスチャンスが生まれる所以があるのです。
また、スピリチュアル系の一部においては、 アカシックレレコード には未来の情報も含まれているので、アカシックレレコードにチャネリングやヒーリングによってアクセスして自由に情報を取り入れて、自分の思うように願いが叶う、と言ったようなことでビジネスチャンスに取り入れているようです。
ファントムDNA 効果
ここにもっと興味深いある実験結果があります。
物質の最小単位である粒子の性質を調べるために、最近不思議な実験が行われました。
これは、ファントムDNA 効果と言うものです。
ロシアで行われた実験で、DNAが光の粒子光子にどう反応するかを調べると言うものでした。
まず、真空のチューブの中に光子だけが入っている状態を作ります。
そこに人間のDNAサンプルを入れます。
すると、光子はDNAの前でひとりでに整列したのです。
また、実験者がチュウーブ内のDNAを抜くのを忘れて時間がたち、後にチュウーブを見たら、DNAサンプルが無いのにDNAがまだある
かのように整然と整列し続けていたのです。
これがファントムDNA効果と言うものです。
このことから、科学者たちは次のような考えに到達しました。
- DNAは時空構造に刻印を残す
- 真空構造の中に刻印を残す
- 真空構造の中に情報を刻み込む
- 人間はDNAによって記憶を時空を超えて保管することができる
またある実験で、ネズミの脳の大部分を切除しても、ネズミの記憶力は依然としてきちんと残っていました。
この実験の発見から「脳フォログラフィー理論」者であるカール・プリブラムは、「この世界がホログラムで出来ている」と考察するようになり、 脳フォログラフィー理論 を唱えたのです。
脳フォログラフィー理論 では、人間の脳は、脳自体に記憶を保存している訳ではなく、空間に記憶が刻まれているから、それを取り出して人間が「思い出す」という行為を行っているといる というのです。
この空間がアカシックレコードということになるのです。
人間の感情がDNAに反応して情報を時空間に刻み、そして、アカシックレコードの空間に波動のエネルギーをDNAが受信して情報をキャッチしているとするのです。
DNAファントム効果は、DNAによるアカシックレコードとの通信が可能であるという結論に達しているようです。
DNAの役割としては、
- DNAは宇宙との橋渡し役である
- DNAは量子物質に影響を与える
- DNAを介してあらゆる情報が空間に書き込まれている
本当にDNAは宇宙と繋がっているのでしょうか?
アカシックレコードは仮説
ここで重要なことは、アカシックレコードは科学的に解明されたものではないということです。
すべては仮想現実現実であり、世界はフォログラフィックであるというのも、また科学的に証明されていないということです。
要するに仮説であるのです。
人類の科学技術がもっとすすみ、量子コンピューターが発展すればこの人間の意識や精神・魂といったものが解明されるのかもしれません。
引き寄せの法則にしても、マーフィーの法則にしても、確かに、思考は現実になるなるかもしれません。
- ポジティブ(感謝、豊かさ、喜び)な思考を常にしているとポジティブな現実になる
- ネガティブ(恐れ、不安、欠乏、嫉妬) な思考を常にしているとネガティブな現実になるポジティブ
ポジティブ思考が確かに優れているように思えます。
人間は幸せであると思って生きているほうが幸せになれるということは本当のです。
人間は、人生肯定的世界観によって生きていくということが究極の目的でもあります。
しかし、自分の願望実現ということが、果たして究極の目的なのでしょうか?
何でもかんでも人間は自由に願望を実現するということが重要なのでしょうか?
人間の欲望には限がありません。
あるお金持ちは、ジェット機を持っているにも関わらず、今度は月に行くためにロケットを買うというのです。
人間の欲望には限がありません。
人間は本当に、欲望のままに生きるべきなのでしょうか?
欲望のままに生きる・・・
そこにある欲望の自由とはいったい何なのでしょうか、世界や、他人をないがしろにしてまで、自分のためだけに願望を実現することは重要なのでしょうか?
人間にとって大切なものとは何か?
アカシックレコード論や ホログラフィック宇宙論 で言うところの、すべては波動で成り立っているという、波動エネルギー仮説は究極の還元主義です。
還元主義は物事を一面的に捉える考え方です。
還元主義においては、人間はロボットであるという考えに陥るしかないのです。
人間はすべての物質が波動で成り立っており、単なる波動に過ぎないであるとか、
この世界は人間の脳というコンピューターで投影された単なる、フォログラフィーの世界に過ぎない、
といった、結局人間は、・・・に過ぎないといったニヒリズムに陥ってしまうのです。
人間は決して単純なものではありません。
フロイトが、人間を無意識のリビドーによって駆り立てられる存在として人間を考えました。
フロイトは、自分の無意識から噴出してくるリビドーを必死に抑えているのが人間の姿であり、人間はリビドーによって動かされているだけだと捉えてしまいました。
しかし、人間はもっと複雑な生き物であり、そのリビドーをコントロールして人生を切り開いて生きている人々もいることを、強制収容所の中で実際に見てきた、ビクトル・フランクルのような精神医学者もいるのです。
還元主義によるニヒリズム
- アカシックレコード論では人間の意識というものは、単なる波動に過ぎない。
- ホログラフィック宇宙論では、人間は脳というコンピューターによって、宇宙空間に漂っている情報を脳内部に投影されたホログラムを見ているに過ぎない。
この・・・に過ぎないということがまさに還元主義なのです。
還元主義はどのような還元主義であれ一面的なものの考え方でしかないのです。
ここにもう一つの仮説ではなく、現実を提案したいと思います。
ジークムント・フロイトやカール・ユングに続き、ビクトル・フランクルの思想があります。
フランクルの次元的存在論
ここにビクトル・フランクルの次元的存在論が大きく捉えられなければならない理由があります。
フランクルは多様であるけれど統一されたものが人間であるとしました。
それがフランクルの言う次元的存在論です。
フランクルによれば人間は、身体、心、精神という3つの次元があり、それらはそれぞれ多様ではあるが全体としては統一されているという、多様の統一理論です。
人間は例えば、風邪をひいた時、身体的には熱が出て体が怠くなり、心理的には気持ちが悪くなります。
しかし、精神的には家族に迷惑がかかるかもしれないので、自分の体が酷いことはあまり言わないようにして頑張って、薬でも飲んで早く治そう、とか思ったりします。
このように人間は様々な場面があります。
このことは、一人の人間の内部で起こっていることは様々であるにもかかわらず、実は人間一人の統一された有様なのです。
この多様の統一ということを説明すりために、フランクルは人間を、三次元の立体的な空間に置き、そこに様々な方向から、光を当てて投影される陰影を考えれば、その陰影は多様な陰影になります。
その様々な陰影の元は一つの統一された人間であるということがわかるというのです。
これが次元的存在論です。
これはただの仮説なのでしょうか?
自分のこととしてよく考えてみてください。
人間は単なる波動や単なる粒子の塊ではなく、複雑に統合されたものなのです。
人間一人一人は、誰とも交換できない、一回的であり独自的なものであって、実存的でかつ、重要な真実の世界に生きている掛け替えのない存在なのです。
人間は、生きていること自体が奇跡的であり、一人ひとりが重要な存在なのです。
決して・・・に過ぎないものなどではありません。
このことはいくら言っても言い過ぎるとはないのです。
心理学の世界においても、最近では心理学だけでは、人間の精神的な世界は解明できないので、様々な学問を取り入れ、学際的なものになってきており、認知科学として研究されてきています。
人間の研究においても、一つの学問では人間を解明することはできないとわかってきたのです。
人間は複雑なものであり、あらゆる学問で考えなければ真実は明かすことはできないのです。
ここにフランクルの次元的存在論が大きく取り上げなければならない理由があるのです。
還元主義は危険な考えであるということをもう一度考え直さなければなりません。
フランクルは、アウシュビッツもトレブリンカもマイダネックもベルリンの大臣室ではなく科学者や哲学者の間で用意されたとして、科学者や哲学者による還元主義を批判しています。
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